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(FiG-4. 3-D Analysis of Structure by FEM)

(2)部材のモデル化
パネルシステムケーソンを構成する各部材については、次のようにモデル化した。
・外壁パネル;シェル要素
・底版;シェル要素
・フーチング;シェル要素
・内部骨格;ビーム要素
(3)接合部のモデル化
3次元解析において要素のモデル化を行ったとき、本来は肉厚のあるものを厚さのないものとして取り扱うことから、各部材の結合方法に関して位置的な配慮をした。具体的には接合部をある程度忠実に再現した基本モデルに対して、3次元解析用に簡易化したモデルを検討した結果、剛ビーム結合モデルがパネルの断面力の再現性が良いと判断され、用いられた(FiG-5.)。

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(FiG-5. Model of Stiffness Beam Connection)

(4)ケーソン中詰めの動土圧解析
パネルシステムケーソンでは隔壁がなく、架構式としたため、ケーソン内壁に作用する土圧は、ケーソン内全長に対するものとなり、ケーソン内の長さによっては相当大きな地震土圧が作用することが考えられる。そこで、FEMによる地震応答解析を行った。また、この結果について模型実験を行い、設計値が十分安全側にあることが検証された。
2−5. 応力の測定結果4)
1号函ではFEMによるモデル化とその設計応力の妥当性を評価するため、応力測定用の各種計器を設置しており、ケーソン中にほぼ満水まで海水を注入し応力を測定する水張り試験と、据え付け時に中詰砂を投入し、応力を測定する試験の2通りを行っている(FiG−6.)。

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(FiG-6. Scene of Measuring Stress)

最も過酷な条件となる水張り試験において、応力は基準値を超えず安全であることが確認され、また、中詰め試験のデータも併せて評価したところ、今回の設計手法についての妥当性が認められた(FiG-7.)。

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(FiG-7. Example of Comparison between Stresses Anelysed and Measured)

3. 施工状況
3−1. 工場での部材の製作
(1)底版部鋼殻ブロック及び内部骨格ブロック
底版は、鋼板の原版プレートを板継して所要の大きさとし、ねじれや反りの防止のためのフラットバーやアングルを溶接して補強し、下部主柱を取り付ける。コンクリートとの一体化のために、スタットジベルを打設する。底面には、摩擦増大用アスファルトマットを打設する。内部骨格は溶接によりパネル加工(平面組)、ブロック加工(立体組)を行い、完成する(FiG−8.)。
(2)外壁パネル
所要の鋼板部材に水平リブを取り付ける。反転し、水平・鉛直鉄筋、位置決め材をとりつける。スタッドジベルを打設し、配筋を行う。この鋼板部材を型枠代わりとし、直接コンクリート打設を行い完成する。

 

 

 

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